石動く Moving Stones, 奈良県

石動く: 大宇陀 阿騎野に柿本人麻呂を訪ねて かぎろいの丘 阿紀神社 宇陀市 奈良県

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かぎろいの丘。遠くに特徴のある山が見える。「古代、宇陀から榛原にかけての範囲を『阿騎』と呼んでいた。かぎろひの丘は『阿騎』の野と呼ばれた可能性が高い場所だ。」参照:「歩く・なら」http://www.pref.nara.jp/miryoku/aruku/kikimanyo/route_manyo/m06/
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丘に立つ碑。左が、「東(ひんがし)の野に炎(かぎろい)の立つ見えてかへり見すれば月傾(かたぶ)きぬ」。まだ暗い朝 ひとりで野に立つ。宇宙の中に、太陽と月と自分がいる・・・壮大な柿本人麻呂の世界。
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左の歌碑。前述の歌碑の反歌の前の長歌にあたるもの。「やすみしし 我が大君 高照らす 日の皇子 神ながら 神さびせすと 太敷かす 都を置きて 隠口(こもりく)の 初瀬の山は 真木立つ 荒き山道を 岩が根 楚樹(さえき)押しなべ 坂鳥の 朝越えまして 玉限る 夕去り来れば み雪降る 安騎の大野に 旗すすき 小竹を押しなべ 草枕 旅宿りせす いにしへ思ひて    柿本人麻呂」
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東を向いて立つ柿本人麻呂像。
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阿紀神社。「垂仁天皇の時代、倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神を祀ったとされ元伊勢とも伝わる。」参照:「歩く・なら」(同上)
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能の舞台がある。
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境内の歌碑「安騎の野に宿る旅人うち靡(なび)き寐(い)も寝(ね)らめやもいにしへ思ふに   柿本人麻呂」

 

 

天武天皇と持統天皇の子 草壁皇子(くさかべのみこ) 28歳で亡くなる

その子 軽皇子(かるのみこ)の 待ちに待った 元服のとき

都から離れた 山深い阿騎野にやってきた

思い出されるのは

今は亡き草壁皇子の元服の儀式

狩猟

獣を狩り 獣の魂を自らのものとする

自分のすべての細胞が獣のそれと混じり合う

この野で 軽皇子は

父の魂と 森羅万象の命と 一体となる